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フジテレビ「愛する二人別れる二人」高視聴率を支えるヤラセを全面暴露

▼高視聴率の隠された秘密

「もう我慢できない。お願いだから別れてよ。アンタよそに女がいるんでしょ」
「うるせえなあ。お前だって子供の世話もしないで男と飲み歩いてるじやないか」
「ストレスが溜まってるんだから飲みに行くくらい当然じやない。アンタなんかプラブラ してるだけのくぜに」
「ふざけんなよ、誰のせいだと思ってんだ。もうやってらんねえよ」

ひと組の夫婦がスタジオに登場し、お互いの不平不満をプチまけながら、別れる別れな いの話を延々と繰り広げている。そう、これはフジテレビが毎週月曜夜7時から放映して いる、「愛する二人別れる二人」のワンシーンである。番組中には、夫婦の愛人や浮気相手までが登場し、つかみ合いを始めようとする出演者をスタッフたちが慌てて止めに入るシーンも珍しくないという過激な内容の人気番組だ。
司会を務めるのはみのもんたと美川憲一。
スタジオにはアドバイザーとしてデヴィ夫人、中尾彬、飯島愛といったタレントたちも スタンバイして夫婦の話に聞き入り、時には本気で怒り出し説教を始める事もある。

この番組のクライマックスはこうだ。司会のみのもんたが2人の会話に割って入り、パ ッサリと切り捨てる。
「でもね、奥さん。アンタだってそんな事言える立場なのかよく考えてごらん。それにダ ンナさん。アンタもアンタだ。仕事もしないで他の女と遊び歩いてるんじゃ、奥さんに愛 想尽かされるのも当然だろ。で、どうするの、ハンコ押すの、押さないの」
事前に用意された離婚届がアップで映し出され、互いに腹の内を見せ合った夫婦が最後 の結論を出す−−」

さまざまな批判を浴びながらもワイドショ−が視聴者の支持を得ているのと同様、まさ にヘタな小説やドラマよりはるかに面白い「現実」を凝縮したような番組である。
この面自さを裏付けるように視聴率もうなぎ登り。このところ毎週のように20バーセン トを超える高い数字を記録し、「SMAPXSMAP」や「サザエさん」と並ぴ今やフジ テレビの看板番組のひとつとなっている。

「この番組が高視聴率を取るのは分かるよ。何しろ視聴者にとってみれば『人の不幸は蜜 の味』だし(笑)、実際、数字も上げてるから、この不況下に枠のスポンサーになりたい って企業も山ほどある。視聴率争いで日本テレビに水をあけられたフジにとっては目下生 命線ともいえる番組のひとつだろうね」(民放キー局幹部)

ところが、これだけの高祝聴率を誇る「愛する二人別れる二人」に関して、テレビ業界 では以前からある噂が根強く囁かれているのだ。実はこの番組はヤラセによって作られて いるのではないか、というのである。ある民放でバラエティ番組を担当する放送作家がこ う話す。
「あの番組はプロから見るとどう見ても不自然な演出が多いんだ。例えば、このところ必 ずと言っていいほど、登場人物の誰かがキレて暴れ出すんだけど、まるで事前の打ち含わ せがあったように、カメラ割りがきっちり出来てる。それまで引きで出演者全体の映像だ けを撮っていたカメラがその瞬間だけはしっかり暴れる人物のアップを撮ってるって具 合にね。そもそも、あれだけ毎週、出演してくれる夫婦を探すのも並大抵の事じゃないは ず。スタッフがよほど優秀なのか、あるいはヤラセかって事だよ」

実際、この放送作家は「愛する二人−−」の番組制作に関わっていた制作会社社員にこ の疑間を尋ねた事があるという。すると、その制作会社社員は笑いながらこう話したというのだ。
「何言ってるんですか。わざわざテレビに出てあんな喧嘩をする夫婦が本当にいると思っ てるんですか」
驚いた事に番組に出演している夫婦など実在しないと、さも当然の事のように認めたと いうのだ。そして、取材を始めてみると、呆れたことにこの制作会社社員の言葉が冗談で はなかったという事が次々と明らかになってきたのだ。
フジテレビで1、2を争う高祝聴率を誇る「愛する二人別れる二人」はヤラセによって 作られている−−。これは「噂」ではなく紛れもない事実だったのである。

▼ヤラセ番組の作られ方

では、この高視聴率番組はいったいどのように作られているのか。
この番組が始まったのは昨年10月のこと。
開始当初から平均15パーセント近い視聴率を取っていたのだが、実は、すでにこの時から 番組のヤラセは行われている。

本誌は、実際にこの番組に出演した人物から決定的な証言を得る事ができた。
名前は仮にA子としておこう。この女性は二十代前半で、昨年秋、放送が始まってすぐ にこの番組に出演し、「夫」と激しく言い争った末、最終的に離婚届にハンコを押してい る。離婚の理由は「夫の暴力に愛想が尽きたため、離婚したかった」というものである。 ところが、だ。実はA子は離婚どころか、現実には結婚したことすらないのだ。いった いどういう事かと思いきや、この答えは至って簡単。A子は役者を目指して演技を勉強中 の身。あるアダルト系モデル事務所に所属するタレントの卵なのである。

そう、A子はこの番組に「役者」として出演し、「夫と別れたがる妻」という役柄を演 じたのだ。つまり、この番組に出演している「別れる二人」は夫婦ですらなく、役者が演 じる完全な作り物だったのである。まずA子に出演の経緯を話してもらおう。
「そもそもこの話は、事務所の社長が持ってきた仕事です。最初に聞いた条件は『20代の 女性で最低限の演技が出来る人。ただし顔は絶対に映らない』という事でした。ウチは小 さい事務所だったし、演技が出来るモデルは私くらいしかいなかったから、すぐに出演が 決まりました。特にオーディションや面接もありませんでしたね」

この時、番組はまだ始まったばかりで、A子も実際の放送を見た事はなく、ヤラセ出演 に対してもまったく抵抗はなかったという。
「私の感覚としては、最初はワイドショーなんかでよくある再現ドラマの仕事みたいなも のでした。まあ、『愛する二人−』では、その再現ドラマは別にちやんとあって、他の 役者さんが演じてたんだけど(笑)。私はスタジオでみのさんやデヴィさんの質間にも答 えなきゃならなかったから、その意味では結構緊張しました。ただ、私が演じたキャラク ターの設定は最初から細かく決まってて、夫との関係や、暴力のシチュエーションも事前 に説明がありましたし、再現ビデオもあったから演技じたいはワリと楽でしたよ」

A子は出演が決まった後、スタッフとの打ち合わぜで実に細かく指示を受けている。そ の中には「とにかく暴力の酷さを訴えてください」「控室でもカメラは回ってますからし っかり演技してくださいね」といったものもあったという。打ち合わせには、A子の「夫 役」を演じる男性も来ており、そこでスタッフから紹介されたという。
「この男性もやはりどこかの事務所に所属してる役者だと言ってました。別れる二人をや るはずなのに、お互い『よろしくお願いします』なんて挨拶をしたのがおかしかったのを 覚えてます」

彼女に仕事の話が来てから、この打ち合わせ、収録を経て実際に番組が放送されるま で、1力月もかかっていない。
「収録は、砧にあるレモンスタジオって場所でやりました。その時は2本まとめて撮って たようで、ほかにもひと組カップルが来てました。その人たちが役者さんだったかどうか は知りません。ただ、台本みたいなものは無かったんですが、事前の打ち合わせで話の流 れをどうするかは決まってましたから、あの人たちも同じだったんでしょうね。本番は緊 張してよく覚えてないんですが、アドリプで涙が出たくらいだから、上手く出来たと思い ますよ(笑)。ただ苦労のわりにギャラは安かったかな。私がもらったのは3万円くらい で、事務所の社長も『これじゃあワリに合わない』って、その後、この仕事は受けなかっ たみたいです」

A子にとってみれば、これは単なる仕事のひとつであり、悪意があったわけではない。 だが、考えてみればこれほど視聴者を馬鹿にした話もないだろう。
実際、出演者たちがそれぞれ口にする別れる「理由」も、こうして作られているという のだ。フジテレピを中心に仕事をしている制作会社関係者がこう明かしてくれた。
「まず企画ありキヽだからね。最初に『浮気』『暴力』『金』といった別れる理由を考えて、それに合った夫婦の設定を細かく決めていくんだ。ペースになる話は、最近では、別の番組の企画で取材した不倫交際クラプに持ち込まれてくる話なんかを参考にすることが多いようだ。それから、そのストーリーに合った役者を仕込んでスタジオで収録すれば、番組が1本出来上がるって仕組みだよ」

この番組では最初にこんなテロッブが流されている。「出演者のブライバシー保護のた め映像と音声を変えてあります」。出演者の顔にはモザイクがかかり、声も処理を茄えら れている。A子が出演した際も、友人たちですら気付かなかったほどだという。
これならば、実在しない夫婦をデッチ上げて、ありもしないストーリーを作り上げるこ とも十分可能である。まさにヤラセまみれ。いや、ヤラセとすら呼べないほどの捏造でこ の番組は作られているわけだ。

▼ヤラセはタレントや局ぐるみ

こうした実態を知るのは何も仕込みの役者と制作者サイドだけではない。実際にスタジ オにいるタレントたちの中にも、ヤラセの事実を知りながら平気な顔で演技を続けている 人物がいるのだ。フジテレピ関係者が話す。
「デヴィ夫人や飯島愛なんかのアドバイザーとして出演してるタレントたちは、少なくと も役者が演じてることは知らされてまぜん。ただ、司会のみのもんたは間違いなく知って るはずです。みのはこの番組の企画に積極的に関わってますからね」

前出のA子もこう話す。
「ハッキリとは言いませんでしたが、みのさんは私たちの演じる話し合いの内容を知って ましたよ。スタッブの人から『この話が終わったらみのさんが質間してくるから、こう答 えて下さい』って指示もありましたしね」

実はこの番組が始まった当初は、本物の夫婦が出演していた時期もあったという。その タイトル通り「別れる二人」だけではなく、「愛する二人」も登場してたのだ。つまり、 番組内で話し含ったカッブルが最終的にヨリを戻すケースもあったのである。ところが、 これでは話が地味になり番組的にも面白くないと言い出した人物がいるのだ。その人物こ そ司会役のみのもんたである。

「ある企画会議で、みのが『別れる二人』一本でやりたいと強硬に主張したんです。なんでも『愛する二人』もやるなら、番組を降りるとまでゴネたそうです。しかも、『俺は必ず離婚届に判子を押させるよ』とまで言い切ったそうですがらね(ところが、別れる別れないの結末は出演する夫婦の気持ちひとつで決まってしまう。そこて、出演した夫婦が必ず別れるようにスタッフが役者を仕込むようになったんだ」(前出・制作会社関係者)
そして役者の仕込みを始めたところ、リサーチなどにかける時間やコストが減り、スト ーリーも作り放題のため番組も盛り上がり視聴率も急上昇。内容の過激さも次第にエスカ レートしていったという。最近では、必ずといっていいほど愛人役が登場し、話がこじれ ると暴れ出すといったシーンがあるのだが、これなどは過激な演出の典型である。

そして最も問題なのは、こうした仕込みやヤラセの実態を知りながら、フジテレビが見 て見ぬふりをしている点にある。
この番組のクレジットを見ると、番組制作の部分には「ジャバンブロデュース」なる会 社の名前が記されており、ブロデューサーや総合演出を担当しているのもこの会社の人間 となっている。つまり、外部の制作会社への丸投げ番組である。
「局からはプロデューサーがひとり出てますが、現場の仕切りはすべて制作会社任せにな ってます(つまり、現場でヤラセがあったとしても、なかなか局側には発覚しにくい」 (前出・フジテレビ関係者)

フジテレビが土曜日に放送している「週刊フジテレピ批評」という番組があるのだが、 視聴者から寄せられた自局の番組への批判や質間に答えるコーナーの中で、つい最近、 「愛する二人別れる二人」についてこんなやり取りがあった。
「番組中、夫婦の愛人や恋人が手際よくスタジオにスタンバイしているのはなぜか?」 この視聴者からの質間に対し、フジテレビ編成制作本部広報局広報部長の村尾誠太郎が こう答えている。
「この番組にご出演いただくカッブルには、その話が本当なのかどうかについて、じっく り2〜3力月かけて話を伺います。その話の中で出て来た(愛人などの)方にも事実関係 を確認し、その上で出演依頼の承諾をしてもらっています」
この番組に登場する人物やエビソードはすべて事実関係に基づいている、という答え だ。この答えは当然広報部がジャバンブロデュースに確認した上でのものだろう。
だが、一般視聴者が不自然に感じるほどのヤラセに、局側が気付かないということが果たしてありえるのか。

答えは否だ。しかも、こうしたヤラセを黙認しているのは何も現場の人間だけではない のだ。番組の決定権を持つ編成局の幹部も、間違いなくこのヤラセを承知の上でジャパン プロデュースに番組を発注しているはずである。前出のフジテレビ関係者が話す。
「ジャバンブロデュースは結構老舗の会社なんだけど、実はヤラセ番組作りの常習犯なん だ。シロウトを使ったドッキリものの番組なんかはその典型で、驚かせる仕掛け人は当然 として、驚くシロウトまで全部仕込みだからね。役者の仕込みには『家族代行サーピス』 や、『ワハハ本舗』といった劇団を抱える事務所の売れない役者をよく使ってるよ。あま りに酷いので、昨年秋の番組改編でこの『愛する二人−−』の企画が出てきた時も、若手の編成マンたちがジャパンブロデュースの間題点を列挙した建白書を上司に提出して強硬に反対したんだ。ところが、この上司は『今回は目をつぶってくれ』と、頭を下げてまでこの企画を無理やり通してしまったんだ」

この上司とは、編成局の大多亮編成部副部長。大多のあまりに不自然な対応に、編成局 内部では、「大多はジャバンプロデュースからキックバックを受けている」「何か弱みを 握られ脅されているのではないか」といった声まで上がったほどである。
しかも、番組は高視聴率を記録し、編成局としても止めるに止められなくなってしまっ たため、建白書を出した心ある編成マンたちはすっかりヤル気を無くしているというの だ。もはや自浄作用すら働かないほど腐敗が進んでいる、という事である。
「さすがに局側もこのままではマズイと思ったんでしょう。7月から急に『出演者募集』 のテロッブを流し始めましたよ。いったい、今まではどうやって募集してたんでしょうね (笑)」(前出・フジテレビ関係者)

▼相変わらず横行するヤラセ

まさに呆れたヤラセの実態というわけだが、こうした「ヤラセ」の問題が表面化する 際、制作者サイドが決まって免罪符のように唱える言葉がある。
「番組はあくまでバラエティであり、演出の範囲内だ」
しかし、今年の7月までブジテレビの局内で「愛する二人−」を管轄していたのはバ ラエティ部門ではなく、ノンフィクション・ドキュメンタリー番組を統括する第三制作部 だったはず。しかも、「愛する二人−」のヤラセは「演出の範囲内」といった言い訳で は済まない悪質なつくりである。もはや言い逃れの余地はないだろう。

そして、「演出の範囲内」を言い訳にしたヤラセが横行しているのは、何もこの番組に 限った話ではない。日本テレビ、TBS、テレビ朝日もフジ同様に、ヤラセまみれの番組が溢れているのだ。
最近でも、やはりみのもんたが司会を務めるTBSの「学校へ行こう!」でヤラセが発 覚し、プロデューサーが学校関係者に陳謝するという事件があったばかり。日本テレピ 「電波少年」での「猿岩石ユーラシア大陸ヒッチハイク」や「渋谷チーマーの暴行」に代 表されるヤラセは言うまでもないだろう。
また、テレピ朝日の「ザ・スクーブ」でもヤラセが原因で局の幹部が降格、減俸とな り、キャスターの鳥越俊太郎が番組内で謝罪する事態が起きているし、朝日放送の「素敵 にドキュメント」や読売テレピの「どーなるスコーブ」、フジテレビの「ウォンテッド!!」に至っては、番組そのものが打ち切りとなっている。

しかも、これらは現在のテレピ業界においては氷山の一角に過ぎないのだ。民放各局の 関係者たちがこう明かす。
「フジの『笑っていいとも!』に出演するシロウトに仕込みの役者が入っているのは有名 な話です。打ち切りになった『ウォンテッド!!』がリニューアルした『走れ!!しあわせ建設』や、以前放送していた『ケンカの花道』も『愛する二人−−』と同様に出演者は仕込みの役者です」(前出・フジテレピ関係者)
「TBSで現在放送中の『ガチンコ!』のダイエットマラソン全画も演出過剰ですね。実 際には途中からタクシーで移動して走ってないんだから、痩せるわけがない(笑)。間題 になった『学校へ行こう!!』や、『さんまのスーパーからくりTV』も相変わらずスタッフが用意したセリフをシロウトさんに喋らせてるようです」(TBS社員)
「バラエティだけど『稲妻!ロンドンハーツ』のナンパ企画も、同じテレ朝でロンブー がやってた『ガサ入れ』と同じで、事前に了解を取って収録してる」(テレビ朝日関係者)
どうやら現在のテレビは、もはやヤラセ無しでは成り立たないつくりの世界なのであ る。そして、こうしたヤラセが、いかに笑いや感動を目的とした無害なバラエティの「演 出」であっても、視聴者を欺いている事に変わりはない。
「今や、仕込みやヤラセはある意味、当たり前の事だからね。専門のブロダクションやり サーチ会社も山ほど存在してるし、こうした会社がなければ祝聴者参加型の番組なんてで きない。間題化するのも外部から指摘された時だけだし、スポンサーからクレームが来な い限り、絶対自分たちでは止められないだろうね」(前出・制作会社関係者)

何の恥ずかしげもなく嘘で塗り固めた番組をタレ流し続け、「演出」と開き直る日本の テレビ業界は、とっくに放送人としてのブライドなど捨てているようである。
こうしたTVマンたちの倫理なき退廃気分が、相次ぐハレンチスキャンダルの背景にあ ったといえば分かりやすいのかもしれない。〈了〉