「あの、みのもんたの息子が逮捕されたらしい」
こんな情報がマスコミの間を駆け巡ったのは、昨年終わりから今年の初めにかけてのことだった。
「12月18日の夜、新聞社の横浜支局に一斉にタレコミがあったんです。みのには慶応大学1年生の長男と附属高校に通う次男がいるんですが、長男のほうが事件を起こし、自宅の側の逗子署に逮捕されたというんですね。しかも容疑は強盗未遂や覚醒剤不法所持といった説が乱れ飛んでいました」(週刊誌記者)
みのもんたといえば、『おもいッきりテレビ』の司会で主婦の庄倒釣支持を得、「奥様族の教祖」とまでいわれている存在。しかも、番組では常々、家庭のあり方について偉そうな説教を垂れている御仁である。そんな人物の息子が不祥事を起こしていたとしたら、マスコミが大騒ぎをするのは当然だろう。実際、このタレコミがあった日から新聞・テレビはもちろん、週刊誌やワイドショーも一斉に取材を閣始し、逮捕されたといわれていた逗子署や『おもいッきりテレビ』を放送する日本テレビには問い合わせが殺到する事態となった。
だがそれから2ヵ月以上を経過した現在、この一件はわずかに『週刊新潮』が「怪情報」と称して小さなコラムで取り上げただけで、他ではまったくといっていいほど活字にはなっていない。「マスコミの取材に対し、みのサイドはもちろん、逗子署側もそういった事実はない』と噂を杏定。しかも、途中から日本テレビの広報までが出てきて、12月a日にみの本人から事情壊取したが、事実無根とのことだった』と懸命に打ち消しをはかったため、どこの社もそれ以上追及しなくなってしまったんです」(前出・週刊誌記者)
とすると、この情報はやはりガセだったのだろうか。いや、実をいうとそうではない。改めて取材をしてみると、たしかに、みのもんたの息子はある「不祥事」を起こしていたのである。ただし、それは大学生の長男ではなく、高校生の次男が起こしたものだった。
横浜市日吉にある慶応大学のキャンパス。その周辺を聞き込み取材していると、みのの次男と同じ附属高校に通う男子生徒がこう口を開いたのである。
さらに他の級友たちにも取材をしてみると、次々に詳細が明らかになった。
みのの次男が盗みを働いていたのは慶応大学内にある生協。同生協では昨年来、頻繁に万引き事件が起きており、警戒にあたっていたのだが、11月頃になってその犯行現場を押さえたところ、現役の附属高校生による万引きグループの存在が明らかになったのだという。
「ようするに、Yはそのメンバーのひとりだったんだよ。11月に現行犯で捕まったヤツがYの名前を喋ったので、わかっちやったらしいね」(附属高校の級友のひとり)
もっとも、彼は警察に突き出されたわけでもなければ、逮捕されたわけでもない。あくまで「補導」されただけてあり、その後の処分も学内で処理されている。また、盗んだ品物も、ジャージー式といったなんとも可愛らしいシロモノだったらしい。
そういう意味では、行為それ自体は誰しも経験しているような「若気のいたり」のひとつてあり、わざわざ目くじらをたて騒ぎたてるようなことでもない、ともいえるだろう。
しかし問題はその行為にいたった背景である。先の級友のひとりがこう語る。「アイツはクラスでも目立たなくて、ほんとうは万引きするようなヤツじやないんだが、万引きブループのひとりが『オマエは有名人の息子だから、悪いことできないだろう』とからかったところ、『あんなクソオヤジ、関係ねえ!』とかいって、思わずグループに入っちやったらしいんだ。とにかくYはすごくオヤジのこどを嫌っていて、ことあるごとに反発してるみたいだから…。ようするに、次男の万引きの原困を作ったのは他ならぬ、みのとの親子関係にあるようなのだ。いや、問題は次男との関係だけではない。実をいうと、みのと家族の関係は、テレビで家族のあり方について偉そうに説教できるようなシロモノではないようなのてある。
みのは夫人と長男、次男、長女の5人家族。逗子の豪邸に住み、子供たちはいずれも小中学校から有名大学の附属に通っている。外から見れぱ、絵に描いたような幸せな家庭なのだが、みのと親しい知人はその内情についてこう語る。
「あの家は崩壊寸前ですよ!次男に限らず、子供たちほまったくみののいうことなんか聞かない状態で、荒れまくっているらしいですからね」
とくに問題を抱えているのが、慶応大学に通っている長男Hだという。前出の適刊誌記者が語る。
「この長男はもともと地元では名うての『ワル』で、とかく噂のあるドラ息子。今回の一件で当初、次男ではなく長男の名前があがったのも、強盗未遂や覚露剤不法所持なんていう噂が流れたのもそのせいなんですよ」
実際、地元や大学周辺の取材をしてみると、この長男、横須賀で活躍するチーマーの一員らしいことがわかった。しかも、このチーム、地元ではやたら評判の悪い集団で、暴行やクスリなど様々な噂が囁かれている。
「Hが作っているアメフトのサークルのメンパーが母体になっているグルーブで、みんなガタイもよくて、横浜や横須賀を荒らし回ってるよ。Hはそのリーダー的存在で、金も湯水のように使っているね。『クソオヤジの金なんだから、いくらでも使ってくれ!』っていうのが口癖で、やはり父親とはうまくいってないみたいだね」(地元のHの友人)
子供だけではない。夫人との関係も表向きは円満を装っているが、実際は「仮面夫帰」同然だという。芸能記者がこう解説する。
「あのふたりはもうほとんどロクに会話もしてないんじやないかな。奥さんはもともと、中堅ゼネコンの役員の娘でお嬢様なんですが、みのが何をしようが知らんぷり。最近は家を空けることも多くて、派手に遊び回っているらしいですよ」
実際、少し前にはなんと、あの矢沢永吉と噂になったこともあったという。「六本木のテレビ朝日通りの中華料理店Oの個室で矢沢が女性と会っている」
今から2〜3年前、ある写真週刊誌にこんなタレコミがあった。記者が慌てて店に直行したところ二人は姿を消した後。しかし、その個室を予約した人物を調ぺてみると、そこにはみのの本名である「御法川」という名前が残っていたのだという。
くだんの写真週刊誌記者が語る。
「調ぺてみたら、みのの奥さんはなんでも矢沢の熱心な追っ掛けで、知り合いの芸能関係者を通じて本人を紹介してもらったらしいんですね。実際、その後何度も同じ中華料理店で二人が密会しているとの情報があって、一度はツーショットも目撃したんですが、写真をうまく撮れなかったため、記事にできなかったんです」
子供の非行に妻との断絶−−まさに『おもいッきりテレビ』に粗談したくなるほどの家庭不和だが、それもこれも責任はすべて、みの自身にあるといっていい。そもそもみのはこの何年もの間、家庭をまったくかえりみようとしてこなかったのである。
みのといえば、8年前に『おもいッきりテレビ』のアシスタント・高橋佳代子と「フライデー」されたことがあるが、それ以外にも女性関係の時は枚挙にいとまがない。
「みのは毎晩のように銀座に通いつめているし、時には芸者遊びをするためにだけ京都にいっちゃうほどの女好き。もちろん愛人もホステスや芸者など複数いましたよ。糖尿病を患った3〜4年前くらいから、さすがにおとなしくなりましたが、それまではほとんど家にも帰っていなかったんじやないかな」(前出・芸能記者)
また、「フライデー」された高橋との関係は今も続いているとの噂もある。今度は『おもいッきりテレビ』のスタッフの話。
「番組スタッフの間では、高橋さんはみのさんの事実上の奥さんという認識で、腫物にさわるような扱いですよ。彼女は44歳の今も独身を貫いていますし、みのさんに一生を棒げる覚悟なんじゃないかな」
実をいうと2年前、同番組の出演者とスタッフで箱根のホテルに慰安旅行に出かけた際、みのは高橋をめぐって流血騒ぎまで起こしているのだ。
「この旅行には当時、レギュラー出演していた英会話でおなじみのウィッキーさんも参加していたんですが、そのウィッキーさんが酔っ払って高橋さんを口説き始めたんですね。そしたら、それを見ていたみのさんがいきなり血相を変えて、ウィッキーさんに殴りかかった。それもすごい勢いで、何発も何発もパンチを入れ、ウィッキーさんが血塗れになってしまったほど。それを見て『ああ、やっぱりふたりはまだ続いてるんだな』と思いましたね」(前出・スタッフ)
だが、家族がみのから離れていったのは、こうした彼の「女性関係」だけが原因ではない。それよりも最大の要困は、彼の二重人格ぷりにあると前出の知人はいう。
「テレビでは、愛想のいい主婦の味方を演じているみのですが、家ではすごく冷たくて横暴な父親らしいんですね。気に食わないと平気で暴力を振るったりする一方で、テレビでのイメージが壊れることを怖れて、家族には体面を繕うことばかり要求するらしい。夫人が離婚を言い出した時期があるようなんですが、『オレをツブす気か!』とみのはまったく応じようとしなかったらしいですしね」
ようするに、みのは家族のことを「奥様族の教祖」という自分の地位を守るための道具としてしか扱ってこなかったようなのである−−これでは予供や夫人から反発を受けるのも無理はないだろう。
実をいうと、家族関係以外でも、こうしたみのの裏の顔に関する悪評はあちこちから聞こえてくる。例えぱくだんの『おもいッきりテレビ』の前出スタッフなどはこう吐きすてるのだ。
「みのさんは番組ではまさに天皇というか暴君ですね。裏では我々スタッフのことは奴隷扱いで、普段から『能無し』『クズ』『バカ』と罵倒の限りを尽くしてますよ。人生相談の出演者に対しても、テレビでは親切そうに振る舞っていますが裏ではクソミソ。人生相談の内容を検討する会議では、それこそ『このバカババア』とか『キチガイ』とか平気で差別的な発言を連発してますからね。しかもその一方では、局のエライ人や大物芸能人にはペコペコする。ホントに嫌なヤツなんです(笑)」
さらに酒場では、もっととんでもない風評も伝わっている。
「銀座のクラブでもみのは嫌われていますよ。とにかく態度がデカくて、ホステスに対しても『やらせろ』『やらせろ』の連発。女のコが嫌がると、『オレを推だと思ってるんだ』と怒鳴りだすんですから始未におえない」(テレビ関係者)
実際、3年ほど前、みのは鎌倉の小料理屋の女将に酔っ払って迫ったあげく、暴行を働き、訴えられそうになったこともある。
「この時は女将が結局、訴えなかったので、大手マスコミはどこも取り上げませんでしたが、みのはしょっちゆう、こういう事件を起こしているんです。実際、銀座のホステスでもみのに暴行を受けた女のコはひとりやふたりじやないようです」(前出・週刊誌記者)
まさにテレビで見せている人なつっこい庶民派の顔からは信じられないような話だが、実は、この二重人格ぶりこそがみのの本質なのだという。
「みののほんとうの顔というのは冷徹な商売人。番組だって、自分の金儲けに利用しているだけだからね」
こう話すのは、日本テレビの関係者。
みのが司会を務める『おもいッきりテレビ』の売り物といえば、「ココアがガンに効く」「トウガラシがダイエットに効果あり!」といった類の健康法の紹介だが、実をいうと、これにはあるカラクリが用意されているとの時が根強く流れている。ある健康食品業者はこんな証言をする。
「以前、『おもいッきりテレビ』に自社の商品を取り上げてもらおうと関係者に打診したんですが、その時、いわれたのが『何を取り上げるかは、みのがすべて仕切っているから、みのを通さなきやダメだ』という台詞。しかも、みのの代理人と称する広告会社の人物を紹介されて、『商品名を出すなら1千万。食材の効果を紹介するだけなら100万』と具体的な金額の捉示まで受けた。そんなには出せなかったので、結局、断りましたが…」
もちろん、これは広告関係者が勝手にみのの名前を使っている可能性もあり、真偽のほどはさだかではない。だが、こうした噂は日本テレビ関係者の間からも頻繁に漏れ伝わってくるのだ。
「通常、番組で取り上げる健康食材はスタッフ会議で決まるんですが、時折、みのさんが『この食材を取り上げろ!』と譲らない時があるんですね。つい何かあるんじやないかと勘繰りたくなるのは確かです」
また、あまり知られていないが、みのにはテレビ司会者という職業の他にもうひとつ肩書がある。
一昨年の2月、東京都が発注した水道メーターの受注をめぐる談合事件で、水道メーターの製造会社25社が東京地検から刑事告発を受けるという事件があったが、みのはそのうちの一社である日国工業の常務取締役を務めているのだ!
「この日国工業というのはみのの父親が始めた会社で、みのはいわば二代目経営者。談合事件の際、みのは『常務というのは肩書だけ』とマスコミに弁解をしていましたが、とんでもない。10年くらい前から、父親は第一線から退いており、会社は事実上みのさんが仕切っている状態です。水道メーターの製造会社ですから、得意先は地方自治体なんですが、みのは積極的に役人を接待していますし、談合の舞台となった水道メーター工業会の総会にも頻繁に出席しています。相手も有名人がお酌をしてくれるというので、すっかりみのを気に入り、今では官公庁と業界の太いパイプ役になっていますよ」(水道業界関係者)
ようするに、みのはその知名度を裏の商売のために徹底的に利用してきたのである。みのがテレビで見せている顔というのは結局のところ、商売のための道具、金儲けのためにかぶっている「仮面」にすぎなかったということなのだろう。そして事実、この表の顔と裏の顔を巧妙に使い分ける二重人格商法によって、みのはここまでのしあがってきたのだ…。
しかし、その商法はここにきて、家族の離反という自分のもっとも身近な足元からほころびを見せ始めている。それでもみのはあの「仮面」を必死で守り続けるのだろうか。くだんの万引き事件を取材している時、みのの次男の級友が口をとがらせながら、こんな話を教えてくれた。
「Yの停学処分は最初、1週間くらいのはずだったんだけど、たった2日でなぜか処分が撤回されちやったんだよ。きっと、オヤジが手を回したんだろうってみんないってるね」〈敬称略〉